ANOATH南烏山

京王線千歳烏山駅徒歩２分という都心型立地。

三軒長屋の一画を取り壊した約１３坪の敷地に法規制で満足できる最大ボリュームの４層テナントビルを計画した。

計画に当たって周囲特性を読み解くと、幅員１７.５mの前面道路とクランクした歩道に面しており、周辺からの視認性がよく、足下だけでなく建物全体の賑わいがまちに影響を与えることがわかった。

これら設計条件に対して、建物形状から解を出した。
道と接する建物北側に4層まで続く階段を配置し、テナント容積を効率的に確保すると共に、階段から最上階のボリュームまで集中的にデザインを施すことで、まちへのファサードを保持しつつ立体的アクティビティの表出を意図した。また最上階をガラスで覆い、建物のアイストップとすることで、敬遠されがちな最上階テナントの付加価値を高め、各階平面に多大な影響を与えるエレベーターはあえて設けなかった。

コスト・施工性ともに厳しい案件だったが、小さなテナントビルであっても、まちと関係を築く建物ができたと思う。